怪しい人びと
俺は同僚の片岡に部屋を貸してあげた。ホワイト・デーに恋人とのデートに、ホテル代を浮かせたいという。その相手は部下の広江だということも知っている。片岡はその後何度か俺の部屋を借りていたが、別の二人とも同じようなことになってしまった。まるで「アパートの鍵貸します」だ。三カ月後のある日、いつものように車のなかから、自分の部屋に戻った。見知らぬ女が寝ていた。女は居座りを決め込んだ。俺は動転して…。(「寝ていた女」)。斬新なトリックに散りばめられた傑作推理集。
東野 圭吾
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部卒業。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞
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