海のなかをはしった日

タイペイの家へ帰る途中、お父さんとお母さんと女の子の乗った車は渋滞に巻き込まれてしまいました。空は夕方色から、だんだんと夜になっていきます。女の子が車窓の外を眺めていると、あれ? ちいさな魚が外を泳いでる! 空の青が、まるで海の中にいるよう。長く連なった車のランプは、まるで真珠のネックレスみたい。大きなクジラのおまわりさんがやってきて、サメのけんかをとめにいくみたい。いろんな海の生きものに出会って、海の中を進んでいくうちに……やっとお家に着きました。「もう夜中よ」とお母さん。女の子は海の生きものたちに手を振りました。現実と子どもの空想が夜の世界で融け合う、美しいお話絵本です。