渡边宙明 Watanabe Chūmei
日本の作曲家、編曲家である。「ちゅうめい」はペンネームであり、本名の読みは「わたなべ みちあき」。 息子は、映画・ドラマの音楽やさだまさしのアレンジャーとして知られる渡辺俊幸。孫(俊幸の娘)に芸術家アイドルとして活動している渡辺真子(マコ・プリンシパル)がいる。 愛知県名古屋市出身。愛知県立明倫中学校(現・愛知県立明和高等学校)、第八高等学校理科、東京大学文学部心理学科卒。東大在学中より團伊玖磨に、大学院在籍中より諸井三郎に師事。その後名古屋市へ帰郷し、中部日本放送のラジオドラマの音楽を手がけ、作曲家としての活動を始める。 後に再上京し、1956年に『人形佐七捕物帳 妖艶六死美人』(新東宝)で初めて映画音楽を手がける[3]。1950年代後半から1960年代にかけては、新東宝の作品を出発点に多数の映画音楽を作曲。1967年、渡辺貞夫からジャズの理論を学び、作曲・編曲に大きな影響を受ける。1970年代には特撮やアニメの人気番組の音楽を担当し、ブラスバンドを主体とする特徴ある音楽を子供たちに印象付けた。モーグ・シンセサイザーのミニモーグ(英語版)を初期に購入し、特に『マジンガーZ』の挿入歌「Zのテーマ」ではビヨンビヨンという一見してコミカルに聞こえる音色を低音でシリアスな場面の音楽で活かす手法は当時斬新だった。後に、民族音楽的合唱曲『恐山』を作曲、LP化され、芸能山城組を一躍有名にした。 水島新司原作の『野球狂の詩』では、主題歌やサントラの作曲を担当し、堀江美都子のヴォーカルにより、ヒットを放つ。1980年代に入るとシンセサイザーのシーケンサー機能による自動演奏も取り入れ、『電子戦隊デンジマン』の主題歌冒頭ではシンセサイザープログラマーの松武秀樹を起用した高速な電子音のパッセージ、『大戦隊ゴーグルファイブ』主題歌終盤での鋸状波の長い上行グリッサンド、『スパイダーマン』や『バトルフィーバーJ』などのAltSoundによるシンセパーカッションフレーズなどを効果的に使用した。『宇宙刑事シャイダー』では挿入歌「不思議ソング」で歌声を披露した。 アミノサプリのCMでは、ささきいさお歌唱によるCMソングの作曲も行った。 アマチュアのUFO研究家という一面を持つ。1990年代にはパソコン通信のニフティサーブ「 不思議フォーラム(FMISTY)」のUFO会議室において、COLTのハンドルで書き込みを行なっていたこともある。 2016年、第25回日本映画批評家大賞・アニメ部門功労賞を受賞。