箱男

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。

安部公房（1924—1993）

日本小说家，剧作家。一九四八年毕业于东京大学医科专业，五十年代初即在文坛崭露头角。短篇小说《红茧》、《墙——S•卡尔玛先生的犯罪》分别获得战后文学奖和芥川文学奖，奠定了他在日本当代文学史的地位。一九六二年安部公房发表长篇小说《砂女》，获得读卖文学奖。一九六八年《砂女》获得法国最优秀外国文学奖。另有长篇小说《他人之脸》《燃尽的地图》《箱男》《密会》等。

安部公房创作的小说和剧本代表作多次荣获国内外大奖，曾是诺贝尔文学奖有力候选人之一。其作品在三十多个国家翻译出版，是最受欢迎的日本作家之一