不惑のフェミニズム
売られた喧嘩は買い,連帯は国境や世代を超えて呼びかける――.社会学者・上野千鶴子の発言はさまざまな波紋を呼んできたが,背景にあるのは,自身の率直な思いと,女が女であるがままの解放をめざすフェミニズム思想.1970年代以降,40年の時を刻んだフェミニズムの歩みと共にあった迫力の発言を大集成!岩波現代文庫オリジナル版.
■内容紹介
70年代に産声を上げたウーマンリブから40年.本書は,第2次フェミニズムと呼ばれた女たちのさまざまな活動から刺激を受け,また自らも先頭にたって運動をつくっていった上野千鶴子の,40年間の発言をまとめた迫力の1冊である.
「売られたケンカは買う」――これは世に上野の処世訓と言われるものの一つ.
1988年のアグネス論争,2000年代,フェミニズムバックラッシュ(揺り戻し)を仕掛ける石原都政との闘いなど,上野千鶴子は,女の生き方を...
売られた喧嘩は買い,連帯は国境や世代を超えて呼びかける――.社会学者・上野千鶴子の発言はさまざまな波紋を呼んできたが,背景にあるのは,自身の率直な思いと,女が女であるがままの解放をめざすフェミニズム思想.1970年代以降,40年の時を刻んだフェミニズムの歩みと共にあった迫力の発言を大集成!岩波現代文庫オリジナル版.
■内容紹介
70年代に産声を上げたウーマンリブから40年.本書は,第2次フェミニズムと呼ばれた女たちのさまざまな活動から刺激を受け,また自らも先頭にたって運動をつくっていった上野千鶴子の,40年間の発言をまとめた迫力の1冊である.
「売られたケンカは買う」――これは世に上野の処世訓と言われるものの一つ.
1988年のアグネス論争,2000年代,フェミニズムバックラッシュ(揺り戻し)を仕掛ける石原都政との闘いなど,上野千鶴子は,女の生き方を縛る動きに対して,実に鋭い反撃を繰り出してきた.
しかし強面なだけではない.世界各地での「女性会議」に参加しさまざまなフェミニストと交流,95年北京女性会議からの熱い現場レポートもあれば,「男女雇用機会均等法」「男女共同参画法」など節目節目での的確なコメントもある.1冊を通して読むと,この本自体が一つのフェミニズム史になっていると言ってもいいほどだ.
なかでも,70年代末,まだ大学院生だった上野自身もかかわり,女たちが自分の問題を持ち寄って作った「日本女性学研究会」への発言は,愛着があればこそ厳しく温かい.フェミニズムはいまや大学の講座にも位置を占めているが,それは本来何か定式があるのではなく,女たちが運動をしながら作り上げ,未だその途次にあるのだということがわかる.
新聞の小さなコラム,ミニコミ誌での発言など,これまであまり知られていなかった部分も含め編集した,岩波現代文庫オリジナル版.「自著解題」も付す.本書に,新たな発見や今を生きる指針を感じる読者もおられよう.
――わたしはこうやって走った.あなたにバトンを受けとってもらいたい.
著者からのメッセージである.
上野/千鶴子
1948年、富山県生まれ。社会学者。京都大学大学院博士課程修了。平安女学院短期大学、京都精華大学、東京大学で教鞭をとる。現在、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)