沼の国
どうあがいても、俺は救えないのか……。
家族を繰り返し襲う恐怖。
沼の底から這い出る化け物から逃れるため、亮介はある決意を固める。だがそれは、新たな化け物を呼び寄せる引き金だった。
黒沼の畔に建つ曾祖母宅に、母、姉、弟と4人で引っ越してきた亮介。黒沼には人を沼に引きずり込む化け物が棲むという伝説を耳にする。はじめこそバカにしていたものの、ある雨の夜、本当に化け物が現れて…。ここに引っ越してきたら、明るい未来が待ってると思っていたのに。姉弟たちに降りかかる凶事。もがけばもがくほど歯車が狂っていく。繰り返される恐怖に翻弄される亮介だったが、やがて元凶に気づき、化け物と対峙する。化け物の正体とは、そして亮介が選んだ犠牲と未来とは――
宮田光(みやた・ひかる)
栃木県生まれ。第4回富士見ラノベ文芸大賞審査員特別賞を受賞し、『まぼろしメゾンの大家さん あやかし新生活はじめました』(富士見L文庫)でデビュー。他の著書に「死神のノルマ」シリーズ(集英社オレンジ文庫)、『四つ葉通りには秘密がある』(富士見L文庫)がある。
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