モンゴル帝国が生んだ世界図
20世紀初頭に西本願寺、1988年に長崎・本光寺で見つかった二つの「混一疆理歴代国都之図」。
朝鮮王朝が絶えず中国地図の入手に腐心し改訂版を作りつづけた理由は何なのか、さらにはこれら一連の地図は日本にいったいいつ到来したのか、日本でどのような意味をもったのか。
本巻は、これらの疑問をひとつひとつ解決しながら「混一図」系の複数の世界図ができるまでの過程をなぞるとともに、とうじ中国、朝鮮、日本の王侯貴族、僧侶たちに共有されていた「知」のありようと、地図を権力の象徴、道具として用いた各王朝の政治的事情を描く。
欧州、アフリカがはっきり描かれたアジア最古の世界図「混一彊理国都之図」とは何か。その地図が示す当時の人々の世界認識はどのようなものか。過去の歴史常識を覆したこの世界図の謎を膨大な史料を元に読み解く。
宮紀子[ミヤノリコ]
1972年生まれ、徳島県出身。1999年京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は中国文学。京都大学人文科学研究所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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