帝国図書館
近代国家への道を歩み出した明治日本。国家の「知」を支えるべく国立の図書館、帝国図書館が作られた。しかし、その道のりは多難であった。「東洋一」を目指すも、慢性的に予算が不足し、書庫は狭隘で資料を満足に保管できなかった。戦時には資料の疎開にも苦しんだ。そのような帝国図書館に、人々はどのような思いを抱いて通ったのか。本書は、その前身の書籍館から、一九四九年に国立国会図書館へ統合されるまでの八〇年の歴史を活写する。
長尾宗典
1979年群馬県生まれ.筑波大学第一学群人文学類卒業.筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科歴史・人類学専攻単位取得退学.博士(文学).国立国会図書館司書,城西国際大学国際人文学部准教授を経て,2023年より筑波大学人文社会系准教授.専門は日本近代史,思想史,メディア史.著書に『〈憧憬〉の明治精神史』(ぺりかん社,2016年),共著に『近代日本の思想をさぐる』(中野目徹編,吉川弘文館,2018年),『官僚制の思想史』(中野目徹編,吉川弘文館,2020年)などがある
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