本格ミステリ戯作三昧
楽しんでください――贋作と評論を両輪として本格ミステリをめぐる冒険を
本格ミステリのさまざまな作家やテーマに贋作と評論で鋭く切り込んだ異色のハイブリッド・ミステリ集!!
本書では、本格ミステリのさまざまな作家やテーマに、贋作と評論の二方向から切り込んでみました。本書に収められた贋作は、すべて“評論的な贋作"、つまり、作家や作品に対する考察を小説の形で表現したものなので、切り込むことができたわけです。そして、カップリングされている評論は、その贋作を生み出す基となった論か、贋作を書くことによって深まったり生まれ変わったりした論をまとめたものです。
それでは、贋作と評論を両輪にして、本格ミステリをめぐる冒険を楽しんでください。
「通常のパスティーシュないしパロディならば、作品にふくまれた作者(以下、真作者と呼びます)の癖や弱点、不自然さは、贋作者によって皮...
楽しんでください――贋作と評論を両輪として本格ミステリをめぐる冒険を
本格ミステリのさまざまな作家やテーマに贋作と評論で鋭く切り込んだ異色のハイブリッド・ミステリ集!!
本書では、本格ミステリのさまざまな作家やテーマに、贋作と評論の二方向から切り込んでみました。本書に収められた贋作は、すべて“評論的な贋作"、つまり、作家や作品に対する考察を小説の形で表現したものなので、切り込むことができたわけです。そして、カップリングされている評論は、その贋作を生み出す基となった論か、贋作を書くことによって深まったり生まれ変わったりした論をまとめたものです。
それでは、贋作と評論を両輪にして、本格ミステリをめぐる冒険を楽しんでください。
「通常のパスティーシュないしパロディならば、作品にふくまれた作者(以下、真作者と呼びます)の癖や弱点、不自然さは、贋作者によって皮肉に、あるいは微笑ましく取り上げられることでしょう。探偵が常におかしな偶然に助けられたり、不可能を可能にするために、ナンセンスといっていい状況がお目こぼしされていたり――そういった事柄が、ことさら取り上げられていたことでしょう。しかし飯城氏の贋作はいささか違うのです。真作者の内面に入りこみ、その創作の特徴を欠点までふくめて、そのまま自分に取り入れ、弱点は弱点、不自然は不自然のまま描き出してしまうのです。誰やらのごとく(あ、私だ)、安易に他作家の作品とクロスオーバーすることもありません。」(解説より:芦辺拓)