深い河
愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向かう人々。自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。人と人のふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。
カトリック信徒であり、作品は純文学派で、日本のカトリックという特殊な立場から作品を描くことを作風の特徴とし、狐狸庵山人(こりあんさんじん)と称してユーモアに富んだ作品も発表。
その作品において、主に人生の苦難と道徳意識、良心が主題に据えられることが多い。その人生観にもカトリック思想の影響が垣間見られるし、キリスト教信仰そのものが主題となっている作品も多い。作品の登場人物たちは道徳的なジレンマと闘い、選択を迫られるという状況に追い込まれる。その過程で、弱者の視点、善と悪の問題に焦点があてられる。その反面、狐狸庵と号してはユーモア精神に満ちたエッセイを発表したり、素人劇団「樹座(きざ)」や素人囲碁集団「宇宙棋院」を組織したりと活動は多岐に亙った。日活芸術学院の学長も務めた。
『沈黙』をはじめとして、作品は海外でも多く翻訳され、ノーベル文学賞の...
カトリック信徒であり、作品は純文学派で、日本のカトリックという特殊な立場から作品を描くことを作風の特徴とし、狐狸庵山人(こりあんさんじん)と称してユーモアに富んだ作品も発表。
その作品において、主に人生の苦難と道徳意識、良心が主題に据えられることが多い。その人生観にもカトリック思想の影響が垣間見られるし、キリスト教信仰そのものが主題となっている作品も多い。作品の登場人物たちは道徳的なジレンマと闘い、選択を迫られるという状況に追い込まれる。その過程で、弱者の視点、善と悪の問題に焦点があてられる。その反面、狐狸庵と号してはユーモア精神に満ちたエッセイを発表したり、素人劇団「樹座(きざ)」や素人囲碁集団「宇宙棋院」を組織したりと活動は多岐に亙った。日活芸術学院の学長も務めた。
『沈黙』をはじめとして、作品は海外でも多く翻訳され、ノーベル文学賞の候補に挙げられることもしばしばあった。