正倉院文書入門
一万数千点ともいわれる正倉院文書の中心には、「写経所文書」という事務帳簿群が大きな比重を占めて存在する。本書では、この「写経所文書」を中心に、整理・復原の状況、読み解きの方法、写経事業の有様、「写経所文書」自体の多様な姿、さらに写経事業と王権の関係を追究する。今後の正倉院文書研究のさまざまな分野での応用・発展に資するため、その研究の実態と方法を詳細に描いた基本の書である。
栄原永遠男(サカエハラトワオ)
1946年、東京に生まれ、まもなく大阪に移る。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。博士(文学)。追手門学院大学を経て大阪市立大学大学院教授を歴任。現在、大阪市立大学名誉教授・特任教授。正倉院文書研究会代表、木簡学会会長。1994年『日本古代銭貨流通史の研究』(塙書房)で第十六回角川源義賞受賞
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