わたし、二番目の彼女でいいから。3
「ねえ、私たちで桐島くんを共有するの、ダメかな……?」
俺は今、橘さんと付き合いながら、早坂さんとも付き合っている。
共有のルール。それは互いに抜け駆けしないこと。「一番目」になれない方が傷つくなら、それは優しい関係とすら言えるだろう。
たとえそれが、歪で、甘美な延命措置に過ぎないとしても。
だけど……。
二番目でよかったはずなのに。
それでも一番目になりたくて。
互いにエスカレートする好意と行為。
その果てに、俺らの関係はやがて軋みを上げ始め……。
もがいて、すがりついて、大事だった何かを摩耗させながら。
どこまでも深みに堕ちていく。
著:西 条陽
第24回電撃小説大賞で《金賞》を受賞し、デビュー。
絵:Re岳
Vtuberデザイン、ゲームキャラデザイン、ライトノベルイラストなど様々な領域で活動するイラストレーター。近刊に『わたし、二番目の彼女でいいから。』『かまって新卒ちゃんが毎回誘ってくる』など。
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