陸海の交錯
中華と夷狄の抗争、華北と江南の対立、草原と海洋の相克――明の時代とは、このような混沌とした状況に対する解答であった。第四巻は、一四世紀の元末から清が台頭する一七世紀まで、三〇〇年にわたる明の興亡を描く。中国社会の多元性・多様性に対して、一元化・画一化の力学がどのように働いたのか、その顛末がここにある。
檀上 寛(だんじょう ひろし)
1950年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。文学博士
現在―京都女子大学名誉教授
専攻―中国近世史
著書―『天下と天朝の中国史』(岩波新書)、『明の太祖 朱元璋』(白帝社)、『明朝専制支配の史的構造』(汲古書院)、『永楽帝―華夷秩序の完成』(講談社学術文庫)、『明代海禁=朝貢システムと華夷秩序』(京都大学学術出版会)など
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