四月は君の嘘 9
自分に大切なものをくれた、病床の少女。
彼女に一体何をしてあげればいいのか。
戸惑い、迷い、悩んだ彼が選んだのは、
自分の演奏を少女の耳に届けること。
叙情的なタッチで描かれる、
妹弟子との演奏シーン。
もがき苦しみながら、それでも彼らは
ピアノに向かう。
コンクールで入賞するためでも、
名声を得るためでもない。
大切な人に何かを届けるために。
母親の幻影に振り回されていた弱い少年は、
そこにはもういなかった。
彼は妹弟子にそれまで見たことのない世界を見せる。かつて少女が少年にそうしたように。ありのままの、ありったけの自分で弾けばいいと伝えながら。
この作品を読む度に
何と表現するべきなのか迷うけど。
私にとって「心が震える」のは確かです。
こんな作品はめったにない。
もはや名作。
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