写本室の迷宮
箱に収められた文書は、壮大な謎への招待状となって推理作家を鼓舞する—第二次世界大戦終結直後、雪に埋もれたドイツの館で繰り広げられる推理ゲーム。各国から集まった、いずれ劣らぬミステリー狂の滞在客。「写本室の迷宮」と名付けられた荘厳な図書室。突如起こる当主殺し。真相への鍵は問題編のみの推理小説「イギリス靴の謎」の中に?全編に横溢する衒学趣味。交錯するミスディレクションと、縦横無尽に張り巡らされた伏線。三重構造の騙りの迷宮を構築した、破格の新鋭による第十二回鮎川哲也賞受賞作。
後藤 均(1958年 - )
日本の小説家、推理作家。東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。2002年、『写本室の迷宮』(スクリプトリウムのめいきゅう)で東京創元社主催の第12回鮎川哲也賞を受賞しデビューした。
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