中国江南六朝の考古学研究
http://www.book61.co.jp/book.php/N51040
【内 容】
3世紀から6世紀末にかけて、中国において諸民族が割拠し、同時に南北の地域社会が拮抗した、魏晋南北朝時代。この時代に長江流域以南を統治した江南六朝は、異民族に追われて中国古来の都が位置する中原の地を失った漢民族が樹立した政権である。しかし他方で、中国内外の文化や国際秩序に少なからぬ影響をもたらしていた。
本書では、南方社会の立場から、江南六朝が史上初めて南方に現れた「正統」の中国王朝であることに注目する。江南六朝は周辺の地にありながらどのようにして中国王朝たりえたのか、六朝文化における南方の在地性、そして南方社会の歴史的意義とはどのようなものか。近年急速に進む発掘調査と著者自身の現地調査の成果を踏まえ、南北の皇帝陵墓と金属工芸を考古学的に分析・比較し、南方社会の...
http://www.book61.co.jp/book.php/N51040
【内 容】
3世紀から6世紀末にかけて、中国において諸民族が割拠し、同時に南北の地域社会が拮抗した、魏晋南北朝時代。この時代に長江流域以南を統治した江南六朝は、異民族に追われて中国古来の都が位置する中原の地を失った漢民族が樹立した政権である。しかし他方で、中国内外の文化や国際秩序に少なからぬ影響をもたらしていた。
本書では、南方社会の立場から、江南六朝が史上初めて南方に現れた「正統」の中国王朝であることに注目する。江南六朝は周辺の地にありながらどのようにして中国王朝たりえたのか、六朝文化における南方の在地性、そして南方社会の歴史的意義とはどのようなものか。近年急速に進む発掘調査と著者自身の現地調査の成果を踏まえ、南北の皇帝陵墓と金属工芸を考古学的に分析・比較し、南方社会の結実としての江南六朝の特徴を浮き上がらせる。(早稲田大学博士論文に加筆刊行)
【著者略歴】
藤井 康隆(ふじい やすたか)
1975年 広島県生まれ,大阪府吹田市出身
1998年 早稲田大学第一文学部文学科中国文学専修卒業
2013年 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程人文科学専攻考古学コース修了、博士(文学)
2000年より名古屋市見晴台考古資料館学芸員,名古屋市教育委員会生涯学習部文化財保護室学芸員を経て
現在 名古屋市博物館学芸課学芸員
(主要論文)
「晋式帯金具の成立背景」(『古代文化』第65巻第1号,公益財団法人古代学協会,2013年)
「關於南北朝陵墓喪葬空間的構思和設計」(『第四屆中國中古史青年學者國際研討會會議論文集』,台湾大学歴史学系ほか,2010年)など。