沈黙
第2回(1966年) 谷崎潤一郎賞受賞
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
1923年東京生まれ。慶応義塾大学仏文科卒業。学生時代から『三田文学』にエッセイや評論を発表。55年『白い人』で芥川賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞を受賞。95年文化勲章受章。96年9月死去.
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