元朝史論集
本論集は第一部藤野彪篇、第二部牧野修二篇の二部構成をとり、牧野修二が編輯した。第一部は藤野彪の モンゴル元朝史に関する全論考五篇を以て、第二部は牧野修二の同史に関する全論考十二篇(但し「元代勾當官の体系的研究、大明堂刊」を除く)も以て構成される。
【本書 より】(抜粋)
本論集発刊の目的は藤野彪先生の東洋史学特にモンゴル元朝時代史研究の業績を顕彰し、また恩師の羇尾に附して牧野修二の諸論考を纏め、併せて以て斯界における些の便宜を計らんとするにある。諸賢の御批正を期待する一方、僅かでも本書に利用価値を見出していただけるならば、編者の喜びこれに過ぐるものはない。藤野彪「元代遷轉法について」はいわゆるモンゴル元朝史分野を扱う本論集の根幹である。それを承けた牧野修二「元代の昇官規定―特に漢南人路府州縣官の場合―」は第二部の要である。本書はこの両論を結ぶ線を縦軸...
本論集は第一部藤野彪篇、第二部牧野修二篇の二部構成をとり、牧野修二が編輯した。第一部は藤野彪の モンゴル元朝史に関する全論考五篇を以て、第二部は牧野修二の同史に関する全論考十二篇(但し「元代勾當官の体系的研究、大明堂刊」を除く)も以て構成される。
【本書 より】(抜粋)
本論集発刊の目的は藤野彪先生の東洋史学特にモンゴル元朝時代史研究の業績を顕彰し、また恩師の羇尾に附して牧野修二の諸論考を纏め、併せて以て斯界における些の便宜を計らんとするにある。諸賢の御批正を期待する一方、僅かでも本書に利用価値を見出していただけるならば、編者の喜びこれに過ぐるものはない。藤野彪「元代遷轉法について」はいわゆるモンゴル元朝史分野を扱う本論集の根幹である。それを承けた牧野修二「元代の昇官規定―特に漢南人路府州縣官の場合―」は第二部の要である。本書はこの両論を結ぶ線を縦軸として各論が配置されるという構図を取っている。「遷轉法」は藤野彪先生の研究発起点であり、また牧野にとっては昭和三十三年愛媛大学に赴任して以後の研究基盤となった。そして藤野先生の愛媛大学における最初の特殊講義(昭和二十六年前期)でもある「元代の遷轉法について」は当時三回生であった牧野修二に東洋史学を専攻せしめるきっかけとなった。私ども師弟の関係はこの論考を絆として結ばれ、本論集の濫觴もまたここにある。
牧野/修二
昭和6年2月11日大阪府に生まれる。父龍夫、母トミヱ。同23年、松山中學校卒業。同年松山高等學校文科乙類入學。同24年、同校一年修了。同年、愛媛大學入學。同28年、同學卒業。同年、松山東雲高等學校教諭。同年、九州大學大学院文學研究科修士課程入學。同31年、同大學院修士課程修了。同年、福岡女學院教諭。同33年、愛媛大學講師。同36年、愛媛大學助教授。同47年、文學博士。同52年、愛媛大學教授。平成7年、同學退職。愛媛大學名譽教授。平成12年、近畿福祉大學教授。同16年、同學退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)