仏教漢語 語義解釈
言葉は思考の拠り所であり、思考と表現に影響を及ぼす――
南北朝隋唐から北宋にかけての仏教思想の根幹にかかわる五十の漢語を取り上げ、漢語における伝
統的語義解釈(仏教伝来前から存在した儒教経典と道家文献、字書に示される解釈)と、インドの原
典(サンスクリット語文献)におけるその語の意味と用例とを対比させ、中国・インド双方から二重
の意味を付与された漢字仏教語の価値を究明する。漢語をベースとした仏典解釈は、インド本来の何
を継承し、中国独自にどう展開したのか。語源探しや起源探しと袂を分かち、漢語文化圏における仏
教受容史を解き明かす。
本書は、仏教文化の接触変化の歴史を言語的・文化的特性に即して解明する新たな仏教漢語資料と
して世に問うものである。
船山 徹(ふなやま とおる)
1961年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程後期課程中退。京都大学人文科学研究所教授。プリンストン大学、ライデン大学、スタンフォード大学等において客員教授を歴任。専門は仏教学。
评论