後漢書劉昭注李賢注の研究

联合创作 · 2023-10-10 13:32

【序 言】より

『史記』・『漢書』・『三國志』の注釋については現今までにさまざまな考察がなされているが、『後漢書』の注釋にかぎると、劉昭と李賢という二人の代表的な注釋者とその注釋書について部分的、副次的に言及した考察を確認するのみで、その人物像や注釋の内容を眞正面から研究對象に据えて、その包括的な究明を試みた著作については日本はもとより中國においても一篇も存在しないといっても過言ではないのである。

これまでに私は、梁の劉昭が選述した范曄『後漢書』の注釋書である『集注後漢』と唐の李賢による同書の注釋書である『後漢書注』を研究對象として拙い試論を重ねてきたが、今回それらを整理改稿して、この二人の人物像と注釋書について再檢討を加えるとともに、李賢注に見える劉昭注など先行注釋書の影響について新たな論證を試みた。それは後漢王朝とその前後の時代を考究する上で不可...

【序 言】より

『史記』・『漢書』・『三國志』の注釋については現今までにさまざまな考察がなされているが、『後漢書』の注釋にかぎると、劉昭と李賢という二人の代表的な注釋者とその注釋書について部分的、副次的に言及した考察を確認するのみで、その人物像や注釋の内容を眞正面から研究對象に据えて、その包括的な究明を試みた著作については日本はもとより中國においても一篇も存在しないといっても過言ではないのである。

これまでに私は、梁の劉昭が選述した范曄『後漢書』の注釋書である『集注後漢』と唐の李賢による同書の注釋書である『後漢書注』を研究對象として拙い試論を重ねてきたが、今回それらを整理改稿して、この二人の人物像と注釋書について再檢討を加えるとともに、李賢注に見える劉昭注など先行注釋書の影響について新たな論證を試みた。それは後漢王朝とその前後の時代を考究する上で不可缺の指針であると廣く認められながら、その撰著者と注釋内容の全體像について考察されてこなかった劉昭と李賢およびその注釋書について、なかんづくこの二書間に見られる注釋觀の繼承などの問題について明らかにして中國史學史研究における空隙を埋めようと考えたからにほかならない。

本書は、序言に加えて第一部全五章、第二部全五章および二つの補篇によって構成される。第一部は劉昭と『集注後漢』について論ずるもので、撰著者范曄の刑死によって未完におわった十志が完全に失われ、本紀と列傳のみが傳來していた『後漢書』に對して、梁の劉昭が司馬彪『續漢書』の八志を斷裁して補綴し、その補成『後漢書』の紀傳と八志の全篇にわたってみずからの注釋を挾入して完成させた『集注後漢』について、撰著者劉昭の人物像とその書の全容を明らかにしようとするものである。第二部は唐の章懷太子李賢と『後漢書注』について論ずるもので、李賢の人物像とその『後漢書注』の全容を把握するとともに李賢注に見える劉昭『集注後漢』など先行注釋の影響を明らかにすることを目的とするものである。

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