プールの底に眠る (講談社ノベルス)
第42回メフィスト賞受賞作
「いつまでも読んでいたかった」――辻村深月
セミの鳴き声が名残惜しく響く。読みながら、何度もプールに漂う塩素の匂いをかぎ、心が夏の終わりに戻されていく。いつまでも読んでいたかった。
夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い1週間の中で、僕は彼女に恋をする。
あれから13年……。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で――。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。
白河三兔,日本推理作家,所创作的《深水长眠》获得第42届梅菲斯特奖。
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