探偵小説論〈II〉
探偵小説第二の波が大量死の現実により喚起されたとすれば、綾辻行人を嚆矢とする第三の波は何により呼び起こされたのか? 綾辻行人、法月綸太郎、山口雅也らによる現代本格ムーブメントの文学的意義を確定する。
===============================
【目次】
序章 螺旋状の回帰
第1章 世界戦争の小説形式
第2章 戦後探偵小説の盛衰
第3章 「幻影城」の時代
第4章 冒険小説運動の地平
第5章 第三の波の胎動
第6章 大量生と空虚な死
第7章 叙述トリックの探求
第8章 後期クイーン的問題
第9章 第三の波の前線
第10章 構築なき脱構築を超えて
笠井 潔(カサイ キヨシ)
1948年東京生まれ。79年にデビュー作『バイバイ、エンジェル』で第6回角川小説賞を受賞。以降『サマー・アポカリプス』『薔薇の女』他、矢吹駆を主人公としたシリーズなど数多くの小説を発表する傍ら、精力的な評論活動を展開。98年『本格ミステリの現在』編纂で第51回日本推理作家協会賞受賞。2003年の第3回本格ミステリ大賞では『オイディプス症候群』で小説部門を、『探偵小説論序説』で評論・研究部門をダブル受賞。
评论